CSS2019にて、匿名暗号資産の匿名性に関する考察の発表実施
2019年10月22日 / お知らせ
講演テーマ:匿名暗号資産(Monero/Zcash/Grin)ブロックチェーンの匿名性に関する考察
内容:
一般に、暗号資産の取引記録であるトランザクション/ブロックチェーンの情報から、利用者の特定は困難である。しかし、その匿名性は完全ではなく、利用者を特定するさまざまの分析手法の研究開発が進められている。こような利用者の特定可能性は、匿名性を悪用したマネーロンダリングや違法薬物の売買時の決済等の犯罪行為の捜査には有効であるが、逆にプライバシー保護の観点からは問題であり、匿名性を強化した暗号資産(匿名暗号資産)も数多く出現し利用されている。
本発表では、まずトランザクション/ブロックチェーンの匿名性要件を整理し、代表的な匿名暗号資産(Monero、Zcash、Grin)のそれぞれのトランザクション/ブロックチェーンの匿名性要件への対応状況を分析した。
本発表の構成は以下の通り。
(1)暗号資産の概況
暗号資産 時価総額ベスト20
匿名暗号資産 時価総額ベスト10
(2)匿名性に関するリスク
暗号資産トランザクションの匿名性に関する要件
(3)匿名化プロトコル
匿名暗号資産ブロックチェーンの主要な匿名化プロトコル
(4)Monero(RCTTypeSimple)ブロックチェーンの匿名性
(5)Zcash(Sapling)ブロックチェーンの匿名性
(6)Grinブロックチェーンの匿名性
(7)Monero(RCTTypeSimple)、Zcash(Sapling)、Grin
のブロックチェーンの匿名性に関する比較評価
(8)おわりに