SCIS2020にて、DAGベース暗号資産の匿名性に関する発表実施
2020年1月31日 / お知らせ
1月31日、暗号と情報セキュリティシンポジウム(SCIS2020)にて”DAG技術ベースの暗号資産の匿名性に関する考察”の発表を実施しました。
前回までの発表はブロックチェーン技術ベースの暗号資産の匿名性に関する調査・考察でしたが、今回はDAG(Directed Acyclic Graph:有向非巡回グラフ)技術ベースの暗号資産を対象としています。DAG技術ベースの暗号資産は、ブロックチェーン技術の場合に比べ、一般にScalability面で優位と注目されています。
発表内容は以下の通りです。
1.はじめに
暗号資産のスケーラビリティ問題(Blockchain Trilemma)
スケーラビリティとDAG系暗号資産
IoT向きおよび耐量子性を主張するDAG系暗号資産
2.DAG系暗号資産の特徴
タングル型とラティス型
3.DAG系暗号資産のトランザクションの匿名性要件
次の5つに匿名性要件を整理
①利用者識別情報の仮名性
②利用者識別情報間の非連結性
③トランザクション間の暗号資産/利用者の非追跡性
④トランザクション内の暗号資産/利用差の非追跡性
⑤移転資産額の秘匿
4.調査対象DAG系暗号資産の匿名性
次の四つについて匿名性要件への対応状況を調査
タングル型:IOTA、Gbyte
ラティス型:Nano、Hedera Hashgraph
5.まとめ
タングル型は、Bitcoinと同程度の匿名性であるが、
ラティス型は、Bitcoinより低い匿名性であることを確認